@「医療とAI(人工知能)」① ラジオホームドクター原稿 2017年9月7日分

便宜上アナウンサーさんを㋐、下地を㊦とします。

㋐:今日はどんなお話でしょうか?

㊦:今日明日は「医療とAI」 というテーマでお話しさせていただければと考えています。

㋐:先生は人工知能に関するお仕事・研究をされていたのですか?

㊦:いえ、私は高山市で胃カメラ大腸カメラなどの検査や内科一般を診療している、いわゆる町医者で、AI関連の研究や仕事に携わっていたこともなく、コンピューターや数学は苦手です。

 今回ラジオ放送のお話をいただきまして、これまでのテーマを拝見させていただくと、癌やピロリ菌、生活習慣病などなど思いつくほとんどのテーマは既に放送されていましたので、この際自分の関心があるAIについて勉強させてもらおうかとテーマを決めさせていただきました。

㋐:AIと言えば、車の自動運転、対話型のロボットやモバイル端末の音声認識、画像認識、株の売買など 様々な分野で現実化されつつある印象ですね。

㊦:日本で有名なのはポナンザという将棋のAIが、昨年の電脳戦で佐藤名人に2連勝して電脳戦が終わった。つまり人間がAIによる機械学習にほぼ勝てなくなったというある意味衝撃的なニュースがありました。

 今回はAI(すなわちArtificial intelligence)の歴史を簡単におさらいしたいのですがよろしいですか?

㋐:どうぞ

㊦:AI(人工知能)という言葉が一般に使われたのは1956年のダートマス会議だったそうです。ちなみに1952年には電子頭脳を持った鉄腕アトムの連載が始まっています。人工知能にはドラえもんやターミネーター・2001年宇宙の旅のHAL9000のような強いAIと呼ばれる人間の脳と同じような働きをする汎用AIと、弱いAIと呼ばれる特定の目的に限定した特化型AIがあります。これからお話しするのはこの特化型の狭い領域に関するAIです。

㋐:強いAIは当分登場しないということですか?

㊦:そうですね、そういう分野の研究もされていますが、僕らがイメージする映画や漫画に出てくる人間の脳に近い働きができる機械は難しいみたいです。画像と音声・言語分析を組み合わせるようなものはあるようですが。

㋐今ブームなっているのは特化型のAIということですね。

㊦韓国の著名なプロ棋士に勝ったグーグルのアルファ碁も、フェイスブックの顔認識も、特定領域の機械学習によるAIで、現在主流となっているディープラーニングという方法を取り入れたAIです。1958年にはこのもとになった、ニューラルネットワーク(脳神経のつながり方を模したアルゴリズム)のパーセプトロンモデル(模式図)が既に提唱されていました。後に、この方法には限界点があるのではとされて、長い間AIの世界は冬の時代と呼ばれる停滞期にあったそうです。

21世紀になり、ニューラルネットワークの、入力から出力までの中間層を多層化することによる可能性が示されて、この分野の研究応用が一気に加速し、2012年にはグーグルのAIがユーチューブ画像からあらかじめ正解のない教師なしの機械学習だけで猫を認識し話題になりました。その後、その年にGPU(グラフィックプロセッサーユニット)を用いることで演算速度が飛躍的に増大して、スーパーコンピュターが無くてもできることが多方面で開発され、こんにちAIは現実社会の様々な分野で利用され始めるようになっています。グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、バイドゥといった膨大なデータ持つIT企業は企業買収やヘッドハンティングを含め次々とAI分野に進出しています。あまたのベンチャー企業も、既存の大企業も各国の政府・行政も様々な分野でAIを取り入れようとしています。

㋐物凄い勢いでAIの開発競争が行われているということですね。

㊦サピエンス全史という本の中では、賢い人と自らが名付けたホモサピエンスは、認知革命、農業革命、科学革命といった変革を経て地球の覇者となりましたが、人類は変革が起きるときにはその変革が新たにどのような変容をもたらして、どのような影響が自らに及ぶかについてあらかじめ予見することができない ということが再三強調されています。

AIもまだ見ぬ変革の果ての未来が、何をもたらすかを予見することは難しいような気がします。

㋐では明日も宜しくお願いします。

㊦宜しくお願いします。

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