@大腸がんと検査 さるぼぼ原稿②
「国立がん研究センターがん情報サービス」によれば、日本の女性のがん死亡率の第一位は大腸がんで、男性では肺がん、胃がんに次いで第3位を占めています。日本では、大腸がんの死亡率は肺がんとともに年々増加しています。
日本で大腸がん死亡が増加し続けている原因として、食事の欧米化が原因であると言われていました。しかしアメリカ合衆国では1990年以降大腸がん死亡率は下がり続けています。アメリカでは検診受診率・要精検者の受診率は高いそうで、肉食・高脂肪食が大腸がんを増加させている主因とは言い切れないようです。
日本でも1995年頃をピークに、年齢で標準化した死亡率は減少し、罹患率は横ばいです。つまり世界に冠たる長寿国・超高齢化国である日本は、高齢者のがん死亡が増え続ける結果として、大腸がんの死亡率も増加し続けていると考えられます。
検診受けた方のうち、大腸がんが発見される方は0.17%前後です。便に血液が混じったからと言って、大腸がんが発見されることはむしろ少なく、さほど怖がることはないと思われますが、便潜血陽性の方でポリープや大腸がんが発見される確率は2~5%という報告もあり、便潜血検査は大腸がん死亡を減らすエビデンスが明らかとなっている簡便な方法です。検査で陽性となれば内視鏡で早期発見・早期治療を受けることが、がん死亡率を減少させます。
大腸内視鏡検査は下剤の前処置も含めて患者さんに負担をかける検査ですが、自身と家族の安心を得るための方法と割り切っていただけたらと思います。